2013/05/11

渡辺多恵子『風光る』


渡辺多恵子『風光る』

新選組を題材にしたマンガ。主人公が女であることを隠して入隊し、そこで出会った沖田総司に惹かれていくストーリー。
ややコメディよりで、物語の進行もかなり遅いので「少女漫画」として期待して読むとあまりおもしろくないかもしれない。
このマンガの秀逸である点は時代考証の正確さで、各巻の巻末ページを読むと作者の猛烈な勉強ぶり(と同時に作者の幼さもw)が窺える。
たとえば「選」と「撰」はどちらが正しいか、総司は「そうじ」と読むか「そうし」と読むのか、江戸時代の時間概念等々解説されており、この種のフィクションに多い適当な(あるいは間違った)説明が全くと言っていいほどない。

最新刊では伊東甲子太郎一派の分派までが描かれており、必然的に今後のエピソードはかなり暗いものが多くなっていくだろう。最終的にハッピーエンドで終わることがほぼ不可能な新選組ものでどういう結末になるか楽しみ。

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