2013/05/11

男は黙ってヒデオ・ノモ


『忘れられない、あの一言』「いい人に会う」編集部編、2009年
 府立図書館で見つけてなんとなく借りてみたら思いのほかおもしろかった。なので返却するまでちょこちょこ紹介します。
 著作権に引っかからないのか心配だ…。

「男は黙ってヒデオ・ノモ」二宮清純
 スポーツジャーナリストの二宮さんの紹介です。日本人メジャーリーガーの先駆者、野茂英雄は大リーグに挑戦するとき様々な批判に晒されたそうです。コミッショナーは「第二の野茂を出すな」と各球団に通達し、OBには野茂を裏切り者呼ばわりする人までいたといいます。
 そんな中、二宮さんと野茂がメジャーリーグ挑戦について語る民放の番組に出演しました。番組の中でアナウンサーが野茂にこんな質問をしました。

「野茂さんは英語が得意ではないようですが、メジャーリーグでは英語が話せないとイジメにあうそうですよ」

 確かに異国の地での挑戦において語学の壁は大きいでしょう。団体競技ならなおさらです。しかし野茂は次のように答え、この発言を聞いた二宮さんは野茂の成功を確信したといいます。

「僕はアメリカに英語を覚えにいくわけではない。野球をやりにいくんです」

 その後の野茂の活躍がどんなものだったかは言うまでもないでしょう。野茂は決して弱音を吐かず、ただ前だけを見つめていると二宮さんは言います。
 野茂は言い訳を決してしないそうです。

「男は黙ってヒデオ・ノモ」

 二宮さんは彼こそ現代に生きる本物のサムライだと感嘆とともに語っています。

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