2013/05/14

貴志祐介『新世界より』

新世界より 上
新世界より 上

最近アニメ化された貴志祐介のSF大作。
序盤は退屈だが、物語の4分の1ほど進んだところで世界観が明確になり、そこからは貴志ワールド全開。
設定自体はSF好きの人には陳腐に感じるだろうし落ちも途中でわかってしまうかもしれないが、それでもダークな話を好きであれば一読の価値あり。(有川浩みたいなほのぼのとした話が好きな人にはおすすめしませんw)

ところでこの小説は主人公の手記という形式をとっており、それを踏まえると物語自体は読み手が生きている時代よりも過去の出来事だとも解釈できる。
そう考えると手塚治虫の『火の鳥』などを思い起こさせ、早希の最後の決意や最後の一文が重くのしかかってくる。




追記:現在『新世界より』の前日譚にあたる「新世界0年」が小説現代で連載中。さくっと終わるのかと思いきやかなりの長編になっている。いつ本になるのか知らないが単行本化したら買う予定。

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