2013/05/11

本多孝好『正義のミカタ~I'm a loser~』

本多孝好『正義のミカタ~I'm a loser~』


「でもそれは間違ったことなのかな?」

「間違ってないのかもしれません」<中略>「でも、いつかどこかで間違える気がします。だから、僕は辞めます」

「それが正しいことなのか?」<中略>「俺たちは間違えることがあるかもしれない。十回に一回。二十回に一回。間違えるかもしれない。それでも、そのうちの九回は、あるいは十九回は、正しいことをしたんだ。気をつけていれば、その回数はもっと増やせる。間違いはもっと減らせる。そのわずかな間違いを恐れて、正義から目を背けるのは、いけないと思う。俺の考え方は、おかしいかな?」

<中略>

「おかしくないです、きっと」<中略>「でも、それは間違える人の言い分です。間違えられる人の言い分じゃないです。間違えられる人にしてみれば、亘先輩がその前に何十回、何百回正しいことをしていたって関係ないです。そして僕は間違えられるほうの人間なんです。弱虫だし、貧乏だし、頭だって悪いし、要領だって悪いし、かっこよくもないし。だから」<中略>「だから、僕はあなたの側には立てません」(本文より抜粋)



序盤はかなり青臭い話だと感じるかもしれないが、そこさえ乗り切ればラストまで一気に読める。大学を舞台とした青春ドラマを話の軸としながら、主人公属する「正義の味方研究部」が大学内を跋扈する悪徳教授、悪徳サークルなどを懲らしめていく。
タイトルの「ミカタ」は「味方」と「見方」の二つの意味が重ねられており、主人公は正義の「味方」研究部で活動しながら正義の「見方」について考えていく。

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